【 そこは縄栖町 】

シティ(実質クローズド) 長期オンラインセッション前提 ハウスルール前提
想定プレイヤー数2人〜5人程度 クソオタクPC前提 推奨技能なし 戦闘あり


★前提
このシナリオは「限界オタクPC縛り」の身内卓用に作られたシナリオです。お前ら全員殺す!
実質クローズド、戦闘あり、推奨技能なし、ハウスルール前提。ごく若干内輪ネタ。
通常ルールでプレイする際は死亡率を下げてプレイすることをお勧めします。


★あらすじ
縄栖町はとある変哲も無い地方都市である。
その名前は縄=蛇(つまりモルディギアン)が棲みかにしていたという伝承から来ている。
また、縄栖神社はその奇妙なデザインからとある作品の舞台のモチーフとなっており、
オタク的には隠れた聖地巡礼ポイントでもあった。
新たなベッドタウンとして近年繁栄したこの町は、元々はグールの棲む村であり、
中心にある今栖神社ではグールの神であり、死者を糧とする旧支配者・モルディギアンが祀られている。
民間では自らを捧げ物に見立てた自殺が今も行われているが、その事は支配層に入り込んだグールによって隠匿されている。
今年は地脈の流れによりモルディギアンが活性化するとされ、グール達は儀式によりそれを復活させようとしていた。
時を同じくして、そんなことはつゆ知らぬ大企業K社により、縄栖町民会館ではライトノベルの原画展が行われていた。
そんな所にノコノコ集まってきたオタク共は無事帰ることができるのか……?


★用語
縄栖町:
北・西を山で、南を川で、東をリアス式海岸で囲まれた地方都市。
グール達によって、目の前で自殺者が出ても何とも思われないような催眠的な結界が張られている。
観光スポットの類もなく人の出入りは少ないうえ、普段の頻度は低いので余所者が自殺を目撃する事は少ないが、
目撃者は警察の手によって行方不明者として処理されることになっている。

儀式:
クトゥルフ神話的に正しいものではない。縄栖のグールが勝手に行うもの。
地脈に従って複数ポイントで死体をつくり、病院でリビングデッド化して復活させる。
満月の夜に神社でリビングデッド達に呪文を唱えさせ、生贄?として捧げる事でモルディギアンは復活し、
瘴気を撒き散らして関東一帯をグールの支配下に置く。

襤褸の男:
あべこべに捻じ曲がった短剣を持ち、襤褸で身を覆った小男。
モルディギアンの神官であり、グールであり、縄栖警察署長。
探索者たちを付け狙い、自殺に見せかけて殺そうとする。

モルディギアン:
納骨堂の神。旧支配者。
本来はゾティークに棲む神であるが、ズル=バー=サイールの神殿から緊急出張。まあ未来のことだから現代どうなのかは分からんし
グールたちが棲んでいた頃作られたモルディギアンの祠(とはいっても巨大な杜みたいなものだった)から現れる。
生きた人間を襲うことは絶対にないため、このシナリオでは如何にしてその強烈なSANチェックに耐えるかが焦点となる。


★導入-5月2日 午前-
探索者たちは聖地巡礼に、原画展を見に、またはそれぞれの理由で縄栖町を訪れる。
個人でも、団体でも、複数グループに分かれていても構わない。
駅周辺で適当に一箇所に集めたところで【聞き耳】に成功すると、大きな荷物か何かが落ちたような音を聞く。
そちらを向くと、ビルの下に人が倒れている。自殺したようで、頭は割れ、血だまりができている。SANチェック0/1D3
【アイデア】に成功するかPCが周囲に助けを求めると、通行人がこの状況に一切無関心であることがわかる。
PC全員が気づいたところで警官が現れ、PC達を縄栖署に連行する。


★遭遇-5月2日 昼-
新米警官 伊藤 宏光(いとう・ひろみつ)巡査 22歳 男性 正義感の強い、清潔感のある青年。非オタ
使われていない小会議室に通されたPC達に自己紹介等させる。
会話を弾ませていると、伊藤が茶と数枚の資料を持って現れる。
伊藤から、以下の情報を提供する。

・伊藤は今年縄栖に配属された新米警官である。
・最近自殺が相次ぎ、明らかに尋常ではない様子だが上層部はそれ以上の捜査をしようとはしない。
・それに違和感を覚え独自で調査しておりPL達の助力を請いたい。
・事件は単発のことも、集団自殺のこともあるが複数のポイントに絞って行われている。

情報を提供し、質疑を済ませたあたりで伊藤は所長と交代する。

縄栖警察署長 属田 清志(しょくだ・きよし) 50台 男性 食屍鬼 浅黒い肌で小柄な猫背の男。非オタ
話を事細かに聞いてくるが、こちらからの質問には「確認しておく」「あとで担当者が来るから伝えておく」しか言わない。
一般的な質問や時間等の確認に加え「君たちはよそから来た人間なのか?」と聞いてくる(隠蔽の魔術の効果を確かめるため)

最終的にPC達は担当者の不在を告げられ、また明日来るように告げられて返される。
町の外に繋がる電車は一本しかない為、PC達は強制的に電車で帰ることになる。
しかし、縄栖駅に着くと電車が全て止まっていることがわかる。
駅員への聞き込み、【聞き耳】、etcで線路への飛び込み自殺があったことが分かる。
自殺者は伊藤 宏光巡査、昼に会った警官である。

ホテル等に誘導して1日目は終了。


★催眠-5月3日-
警察に向かうと、会議室が空いていないとのことで取調室に通される。
机の上には昨日見た資料ファイルが置かれている。
警察に向かわない場合、襤褸の男が現れ誰か一人キャラロスト。
1D6で5以下が出れば刺殺、それを見たPCはSANチェック0/1D6 
6が出たら毒殺、全身がドロドロに溶けて死ぬ。死ね。耐えても昏睡で実質ロスト。
溶解しながらもがき死ぬ犠牲者を見たPCはSANチェック1/1D6+2
【ブラック・ウォーター 詳しくは狂気太郎の「デビル・ボード」を読め POT30】
増員イベント挟んで強制的に警察へ。

しばらくすると換気口から異臭がする事に気づく。気づけなかった場合は睡眠ガスと対抗ロール。
【睡眠ガス 人類の科学由来ではない、POT10】

一人でも起きていれば叩き起こせるが、全員眠ってしまった場合は誰か一人がロストした状態で夕方に目覚める。
翌日も来るように言われ、翌日取調室で新PCと合流してやり直し。
普通に出ようとすると外にいた警官に呼び止められるので、【言いくるめ】【信用】もしくはRPで逃げる。
【隠れる】【忍び歩き】または全力ダッシュしながら【幸運】でも脱出できる。
資料を持たず、確認せずに脱出した場合、【目星】【幸運】で思い出すことができる。
資料には昨日見せられた地図に加え、以下の情報がある。
『伊藤の資料』
・自殺者の遺体は縄栖総合病院に集められている。
・縄栖総合病院は縄栖神社の分社のあった所に建てられており、霊安室がその本堂(跡)の真上にある。
・伊藤巡査は都合をつけてその病院を捜査する予定だった。
・縄栖分社には少し離れたところへ抜け穴のようなものがあるとの資料が残っており、
 有事の際は縄栖町を抜け出すのにも使えるかもしれない。


★神社
病院に誘導はするが、情報の与え方とPLの思考によっては神社に向かうこともあるかもしれない。
(地獄卓では面倒だったため導入時点で神社の情報を与えていません)
その場合特別なイベントはないが、以下の情報を技能ロール、RPによって与える。

・社の規模に対して墓地が不自然に大きい。
・墓地の中心に御影石で作られた祭壇がある。【地質学】でよく見ると御影石ではなく未知の石材であることが分かる
『紋章』(後述のものと同じ)
縄栖神社はもともとまつろわぬ民(食屍鬼)の神の社であり、それを調伏した際に陰陽師が書き入れたもの。
陰陽道による封印がかなわなかった為と伝えられ、まつろわぬ民の文化の要素が残っている貴重な史料であると言われている。


★死体-5月3日午前-
病院:
面会希望(?)・【言いくるめ】【信用】などで霊安室へ。
儀式に関係しない地点で死んだPCと対面した場合、安らかな死に顔を見てSAN値が1回復する。
儀式で死んだPC、伊藤に対面した場合、【目星】で額の生え際に刻印のようなものを見つける。
2人以上の刻印に気づいた場合【アイデア】これが儀式に関連する場所で死んだ人間に共通することに気づきSANチェック0/1。
【目星】に成功すると床の片隅が四角く区切られ、扉になっていることがわかる。
入らない場合は霊安室入り口からノック音が聞こえ、ばれたらただじゃ済まないことを察知させて誘導。

開くと古い木製の階段が現れ、降りていくと小さな通路を経て小さな書斎に辿りつく。
鍵のかかった奇妙な本棚、文机、燭台が目に入る。
部屋に【目星】をすると、反対側ににじり口のような妙に小さな扉があることに気づく。その向こうから潮風が吹いてきていることも分かる。
燭台に【目星】をすると、その悍ましい細工模様は日本のものではないことが分かる。
   【考古学】【芸術】で、世界中どこのものでもないことが分かる。
本棚に【目星】をすると、最上段には鍵がかかっていないことがわかり、
辞書や「縄栖町の歴史」といった古びた本に混ざった真新しいA4キングファイルが目に入る。
キングファイルの中身は古い書物の写しなどである。
【オカルト】【考古学】【目星】に成功すれば、それが冒涜的な古文書や魔導書の類であることがわかる。
また、強引に引きちぎられたページがあることも分かる。

『魔導書の写し』
付箋の貼られた(呪文の)部分を理解するには5時間 完全に理解するには50日(=シナリオ中には無理)かかる
【クトゥルフ神話】に+6、SANチェック1D6/1D6+2 完全に理解しようとしたらもうその場で狂死させてもいいんじゃねえかな
内容は丁寧に整理された付箋と目次でざっくりと窺い知ることが出来る。事務員のような、その手のプロの存在が感じ取れる。
5時間あれば○の呪文を覚えられ、・の呪文についての情報を得ることが出来る。

○モルディギアンの退散
 呪文の詠唱者を中心に複数人で行う。各々任意のMPを支払い、その合計×5が成功値となる。加えて詠唱者はSAN値を1d10失う。
 成功すれば、モルディギアンは他の何を放っても地底に帰っていく。
・虚偽の濃霧(オリジナル呪文)
 食屍鬼のみが行使できる呪文。呪物を「3か所以上の」「死者や屍肉と由縁の強い場所に」「食屍鬼が」配置することで、
 囲んだ地域内で殺人や生贄などの冒涜的な行為を気づかれなくさせる。効果は数日かけて浸透するため、日帰りの旅行者などには効きづらい。
 術者が生きて効果範囲内にいる限り有効。
・黒い束縛(ルルブp257)
 死体を媒介に、複雑な手順と法的・倫理的に入手困難な材料から作られた液体により生ける死者を作りだす
 材料:蘇生させる死体・アヤワスカ・子牛のパイプ・水銀・トネリコの枝・食屍鬼の肉片(聞かれたら答える、ルルブには詳細な指定ありません)

『奇妙な写真』
古いモルディギアンの写真。凝視していると強烈な眩しさを覚える白い光を湛えた墓地を背景に、
腕のない巨人のような、芋虫のような、蛇のような巨大なシルエットがくっきりと写っている。
SANチェック1d3+1/1D10、モルディギアンと対面したときのSANチェックに多少のボーナス

『紋章』
(画像)
「縄栖町の歴史」もしくはキングファイルから見つかる。神社など古い施設に散見されるもの。
この地におけるモルディギアンの紋章であり、陰陽師によって描かれた、縄栖町の地脈の流れを模しているものとされている。

文机に【目星】をすると、無造作に置かれた警察手帳が目に入るが手に取る前に襤褸の男が現れる。

ある程度探索を済ませた時点で、【聞き耳】を振らせる。成功した場合、霊安室側から足音と不穏な金属音が近づいてくるのが分かる。
【隠れる】などの技能でやり過ごすか、にじり口を通って脱出。気づかれてしまった場合は戦闘。
気づかれた場合も気づかれなかった場合も、警察手帳はPCが見る前に持って行かれてしまう。

【襤褸の男・屍食狂の司祭(縄栖警察署長)】 死なない程度の頃合いで直ちに逃げ出す。
STR 15 CON 13 SIZ 9 INT 16 POW 18 DEX 10 耐久力 15 DV 0
かぎ爪 30%、ダメージ1D6+DV  噛みつき 30%、ダメージ1D6+牙でいたぶる1D4 
儀礼用の短剣 20%、ダメージ1D4+2 キーパーがPCのRPに耐えられない時はPOT5相当のブラック・ウォーターが塗られている
身にまとった紫の襤褸布と仮面で素顔は窺い知れない。

霊安室側は施錠されて戻ることができない。にじり口の通路をたどると海岸沿いに辿りつく。


★屍食鬼-5月3日昼-
通路を進むとリアス式海岸に辿りつく。犯人を追い詰める場所とか言った奴に対しては、下級種族の召喚やトラックの激突などで死を与えてもよい
海岸付近に停まっている車の中では練炭自殺が行われているかもしれない。
崖には、こう、リアス式海岸のギザギザしたところでジャッてやって死んだ犠牲者がへばりついている。正確には乱闘ののち崖っぷちで凄惨な暴力による死亡。
崖を覗きこんだPCは、もれなくその下顎が消失した死骸と目が合うことになる。SANチェック1/1D4+1
その手にはグシャグシャになった紙片が握られている。手を伸ばせば取ることができる。

『キングファイルからもぎ取られた紙片』
・モルディギアンについて
納骨堂の神モルディギアンは死者を司る、我々屍食鬼が古来信仰していた神である。
死者を貪る以外のことに興味を持たないと伝わるが、昨今領域を狭める我々屍食鬼の縄栖町を取り戻すために助力を請えるのではないか。
地脈のポイントで死者をつくり、モルディギアンの目覚めを促す。
半月の夜、縄栖神社に死体を集めて儀式を執り行うことで招来し、我々の支配を取り戻す。

この文章を読み、なおかつ写真を見ていた場合【アイデア】ロール。
成功した場合、写真に写っていたものはまさにこのモルディギアンであると気づき、覚悟を決める。
(写真を見てSANチェックしたことで耐性がついたことをそれとなく示す)

地下室で戦闘にならなかった場合は、どこからともなく現れた襤褸の男と戦闘。
やはり耐久力が残り10以下になった場合直ちに逃げ出す。

立ち去ろうとした時、【目星】【幸運】で属田の警察手帳を拾う。

【アイデア】に成功すると、地図と紋章を重ね合わせて集団自殺が地脈のポイントで行われていることに気づく。
そしてこの殺人が組織的に、縄栖町に潜む食屍鬼の手で行われていること、
「儀式」が成れば密室と化したこの町は惨事に見舞われ、自分たちの命も危ないことを理解する。

次の半月は明日である。


★屍食神-5月4日夜-

神社裏の墓地の中心にある石碑が祭壇になっており、本堂裏から石碑に向かって道を作るように松明が灯されている。。
既にモルディギアンは目を覚ましており、不完全な儀式か一人以上の死者によって覚醒する。
探索者達は、墓地内がざわざわとした雰囲気に包まれていることに気づく。【聞き耳】に成功すると、それは地面のすぐ下から来ていることが分かる。
日が完全に落ちきると、襤褸の男が本堂から現れ、儀式を始める。松明の明かりで見ると、襤褸だと思っていたそれが古くくたびれきった法衣の類だとわかる。
襤褸の男が呪文を唱えると辺りにざわめきがこだまし、社から霊安室にいた死者たちがおぼつかない足取りで現れる。
石碑を引き倒してモルディギアンが現れ、襤褸の男は正体を現して自殺、モルディギアンの供物になる。
SANチェック1D6/1D20 写真を見ていた場合は1/1D10 さらにアイデア成功で覚悟を決めていた場合は1/1D6
モルディギアンは眩しい光を伴って現れ、その中に黒く腕のない、闇の巨人のシルエットとして浮かび上がっている。
呪文が詠唱されるまではひたすら死者たちを貪り続ける。

呪文を詠唱してモルディギアンを地底に返すとED。
全員発狂とかでどうにも出来なかった場合は死体を貪り尽くしたモルディギアンは帰っていく。
直後食屍鬼たちが墓地になだれ込み皆殺しにされ、ゲームオーバー


★終章-5月5日-

縄栖署は上層部の汚職が露呈し、実質解体レベルの人員入れ替えが行われることになった。
また、政界の重鎮や富豪、大地主たちも何人か逃げてしまったという。
すべてを解決した探索者達は原画展に向かうなり、聖地巡礼を楽しむなり、思い思いに縄栖町を楽しむ。
もしくは足早にここを去る探索者もいるだろう。

そして、探索者達はもう二度とこの街に来ることはないだろうということを予感する。
何故ならそこは伊藤巡査(や探索者たち)が命を落とした町、『納骨堂の神』モルディギアンの潜む町、食屍鬼達の潜む町。
そこは縄栖町なのだから。

縄栖町を離れる探索者達は追い撃ちのSANチェック(0/1d6+1+失われた探索者の数)


★SAN値回復

・モルディギアンを封印し、食屍鬼の企みを阻止した→1D10
・最初から最後まで生存し、NPCのすべてにイキリをブチかました→1D6


★くだらないこと

・「属田 清志」が「しょくしきだよ(食屍鬼だよ)」のアナグラムであることに気づきそうな聡明なPLがいたら
 真っ先に殺すか名前を変えたほうがいいかもしれない

・署長との戦闘でもし倒してしまうとそこで儀式も何も起こらずクリアになってしまうから全力で必死に逃げて

・これほぼ「黒のステラ」では?


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